子どものとき、道ばたの神さまはどこの辻にもいらっしゃった。 年を経て探してみたら、ずいぶんお仲間が減っていた。 小さな生きものと同じ‥‥‥そう、でも、負けないよ♪
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カテゴリ:匠のおしごと( 32 )

古いつきあい‥‥‥スーツケースを手放す

なじんだものを手放すのは、むつかしいものです。

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30年以上使ってきたスーツケースですが、いざとなると急にいとおしくなる。

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いろんな国を旅した、古い友だちみたいなものだから‥‥‥

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ただ使わないときは

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やはりスペースをとってしまいます。

わたしのだけならともかく、家族のものも、となると‥‥‥


いたんできたのも事実でした。

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傷やほころびもあるし、

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キャスターも一度取りかえたのですが、どうも動きがぎごちない。

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一方向へしか引けないというのも不便だし、


いまはアメリカだけですが、鍵がTSA仕様でないというのも気になります。

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なので、最近はレンタルを使うようになりました。


レンタルのいい点は、なんといっても場所をとらないこと。

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旅の長さや気候にあわせて、

その都度サイズを指定できるのもよい点です。


無論料金はかかりますが、しょっちゅう行くわけではなし、やはりこちらの方が合理的。

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とはいえ、古いつきあいだしなぁ‥‥‥いろんなことを思いだします。

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さようなら。

長いことお世話になりました。


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by march_usagi | 2018-04-07 00:00 | 匠のおしごと | Trackback | Comments(2)

幸せの二眼レフ

家を整理中の知人から、古いカメラをいただきました。

お父さまが使われていた二眼レフです。

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上のレンズでピントを合わせ、下のレンズで撮影します。

60×6060×70)サイズの、ブローニーと呼ばれる中判フィルムを使用します。

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フィルムの装填部分‥‥‥

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レバーを一回転させてフィルムを送ります。

カラーとモノクロのシャッター速度が指定されているのがおもしろい。


ピントは

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左右にレバーを振る方式になっていました。

慣れると使いやすいかもしれません。

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ファインダーの画像も思ったより鮮明で、悩むことはなさそうです。


昔のカメラらしく、

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皮のケースにはいって、

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レンズフードとフィルターもついていました。小さくてかわいい。


デジタルが隆盛となる以前、

中判カメラは、通常の35ミリとはレベルの違う、より高品質な撮影に使われていました。


わたしも娘の七五三に、中判の名機ハッセルブラッドを借りて撮影したことがあります。

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ボシャッというシャッター音とともに、小さな幸せが写しとられました。

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このカメラ、

ネットで調べたら、1955年発売の「ミノルタコード・オートマット」という機種でした。

生産台数はさほど多くないようです。


とはいえ当時最新鋭の二眼レフ‥‥‥

お父さまは、わくわくしながら幸せを写しとられたのだろうな、‥‥‥

そんな風に思いました。

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by march_usagi | 2018-02-24 00:00 | 匠のおしごと | Trackback | Comments(2)

大は小を、兼ねすぎた!

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熱病みたいにして手にいれたD5ですが、

困ったことがおきました。

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バッグからはみだしてしまう。

今までのカメラより、横2センチ、高さが4センチも増えるんですね。

縦にしても横にしてもダメ。 レンズはずしても、ダメ。

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メッセンジャーバッグ型は使いやすいし、おおげさでなくていいのですが、

このサイズは考えていないみたい。

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なのでザック型をさがしました。


ところがこれも、すっきりはいるものがない!

レンズをはずせば、と云っても、

だしたらすぐに撮りたいですよね。

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結局最大級のこれしかないとわかりました。


いれてみましたよ♪

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ごらんのとおり!


問題は、

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かつげない、‥‥‥重いっ!


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by march_usagi | 2018-01-13 00:00 | 匠のおしごと | Trackback | Comments(2)

畑にきて考える⑦ 冬の畑

冬の畑はさみしげです。

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タマネギは、まだこんなひ弱な苗でしかありません。


昨年は天候が不順でした。

タマネギのように長くかかる作物には、植えつけ時の不調がひびきます。

「春は値上がりするかもしれないな」‥‥‥Y君の予想です。

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見なれない作物はプチヴェールです。

芽キャベツにアブラナ科の別の野菜をかけあわせた品種で、

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こんな風に茎から芽がわかれます。

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奥さまがつんでくれたプチヴェールは、そのまま小さなキャベツみたい。

畑の味がしました♪

レストランなどが買ってくれるそうです。


あつかう農家の少ない、チャレンジングな野菜です。

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珍しい葉ニンニクもゆでてみました。

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すりごまベースの酢味噌で和えましたが、

さすがにパワーがありすぎて、和の味ではなじみません。


次回は肉と炒めてみます♪

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過剰と云いたいくらい葉をのばし、実をならせていたY君の畑も、

この季節は控えめ‥‥‥

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生命の活動が休息します。

ひとだって大地だって休まなければならないし、

それはそれで、理にかなったことなのかもしれません。


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by march_usagi | 2018-01-06 00:00 | 匠のおしごと | Trackback | Comments(2)

いきついたところにD-5

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いろんなカメラを使いました。

思い出のしみこんだボディ‥‥‥それぞれの個性に見合った、その時代の風景を切りとってくれました。

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最近はほとんどこのD700です。

Nikonのハイアマチュア機種、深みのある写真が気にいっています。

後継機種がでたけれど、買い換えるのはもったいない。

わたしの身の丈にあっているんだし、‥‥‥そんなことも思っていました。


なのに、

ある日、欲望が生まれると、とめようがなくなる!

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妄想のいきつくところは、D5‥‥‥

ニコンのカメラの最高峰、

というか、世界最強のカメラ。


もちろん、ライバルCanonEOS-1Dという、ほぼ同等のスペックをもったカメラがありますから、D5だけが偉いんじゃない。

とはいえ、東西横綱のひとりであることは堂々間違いがありません。

半年以上の悶々の末、

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手にいれちゃいました。

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子どもみたいなものですね。とにかくうれしくてしかたない。


まずは試し撮り、

おどろくのは合焦‥‥‥ピントの合う早さ。

同じレンズなのに700と比較になりません。

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とりあえず撮ってみた写真ですが、クオリティも文句なさそう。


面白いのは、

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縦位置専用のシャッターボタンがついていること。

使ってみましたが、確かにたいへん狙いやすくなります。

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なんといっても機能満載のカメラです。

スマホでさえ全然使いこなせていないわたくし、どこまでやれるのか?


でもご心配なく‥‥‥好きこそものの上手なれ、

とことんつきあって、存分に堪能しようと思っています。

結果はおいおいブログでもご紹介しますね。

いい写真がいっぱい撮れるといいな♪


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by march_usagi | 2017-12-16 00:00 | 匠のおしごと | Trackback | Comments(2)

このレンズは面白い トキナ16-28

広角レンズには興味がありませんでした。

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遠くのものをひきよせて撮る‥‥‥望遠レンズのパワフルな魔力に魅せられていたからでしょう。

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でもこのレンズに触れて考えが変わりました。

トキナのAT-X 16-28 F2.8 PRO FX‥‥‥超広角のズームレンズ。

古い友人から教えてもらいました。


広角レンズは、ヒトの目で見るよりずっと広い角度を収めます。

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だから広い範囲をいっぺんに撮ることができる。

これはわかりやすい特性です。

標準レンズではみ出すような大きなものを、一枚の写真にいれることが可能です。

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箱根神社のこのスギは、たぶん30メートルはある巨木‥‥‥それが5メートルくらい離れたところから全部いれることができました。


もうひとつは奥行きがでることです。

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見た目より遠近感が強調され、ちかくのものはより近く、遠くのものはうんと遠くに見えます。

立体感がうまれます。


広角レンズは、特性上たいてい周辺部が樽のように歪んでくるのですが、

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トキナAT-X 16-28はそれが極力抑えられていました。

これはとてもうれしい。

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建物の直線が、周辺でもまっすぐ見えます。


そしてもうひとつ、予期していない特性がありました。

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色です。

じつに鮮やか!

空の青さが、湖面に映えているのがおわかりになるでしょうか?


フィルム写真の時代、

ドイツのアグファゲヴァルトが提供するフィルムは、一種独特な色合いをだしていました。

全盛のコダクロームやフジクロームとちがい、金属的な紫がかった、なにか幻想的といってもいい色合いでした。

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それとは無論ちがうのですが、

ニコン純正の地味な色合いとは異なった、トキナの派手ともいえる発色‥‥‥これは驚きです。


一眼レフは、レンズで変わる‥‥‥新しい世界がひろがりそうです♪


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by march_usagi | 2017-12-01 00:00 | 匠のおしごと | Trackback | Comments(2)

畑にきて考える⑥‥‥‥田と畑

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Y君の周囲は、ぐるりとよその畑がとりまいています。


おじゃま虫の勝手なおしゃべりに付き合いながら、Y君の手先は休むことがありません。

せっせせっせとそれこそ二六時中動いています。

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実や本体に栄養が集中するように余計な枝や葉っぱをのぞきます。

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マルチとよばれる黒い覆い‥‥‥日の光を吸収して保温する役目のほかに、

作物以外の植物が勝手にはえてくるのを防ぐのだとか。

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よく手入れされた畑からはすがたのよい野菜がうまれます。

すがたがよいのは、味もいいのだそうです。

それは、野菜が本来の成長をした結果だから、と‥‥‥納得できる理屈でした。

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たしかにY君のあつかう作物は、すがたも味もよいと思う。

ただそのためには、気の遠くなるほど手をかけています。

日のあるあいだはずっと畑、休めるのは夜と雨の日だけ。

あとなん年できるかな、とY君はつぶやきます。


気になることがあります。

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ここ数年、田と稲をいろいろ撮ってきました。

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選んだわけではないのですが、田にひとがいないのです。

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歩いたところはどこも無人でした

ただ青々と稲が風にそよぐだけ。


「昔はさあ」というと嫌われますが、でもそう云いたくなってしまう。

子どものころは田にひとがいた。 必ずいた。

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夏の真っ盛り、ぎらぎら照り付ける陽光のしたに、麦わら帽子に手拭いをたらしたお百姓さんが、せっせせっせと草取りをしていた。

その記憶は鮮明です。お百姓さんがいかに大変な職業か子ども心に焼きつけられてしまった。

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「コメはお百姓が八十八回手をかけるから『米』と書くんだぞ」

これは少年のころのY君のセリフでもありました。当時は食べるだけでしたが。

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いまひとの姿を見るのは、植えつけと刈りいれの二回だけ、‥‥‥それも一瞬です。

八十八回の手数は、どこに消えてしまったのか?


もうひとつ気になるのが、以前にも書いたようにカエルやヘビがいなくなったこと。

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子どものころ、田の水にはオタマジャクシが群れをなし、あぜ道には踏み潰しそうなほどカエルが跳びはねていました。

それがいない‥‥‥カエルを食べるヘビもいない。

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田のよこの用水からも、小魚やザリガニのすがたが消えています。

ひとと小動物の消えた田んぼ‥‥‥


これはたぶん連動している。

深入りするのが怖いなにか、みたいな気もします。

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にぎやかでひとでの足りないY君の畑と、無人の田んぼ‥‥‥


おちついて考えたほうがよいのかもしれません。


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by march_usagi | 2017-11-11 00:00 | 匠のおしごと | Trackback | Comments(2)

畑にきて考える ⑤ そもそも農業

この国の食料自給率は38%だそうです。

農業以外で外貨を稼ぎ、そのお金で外国から食べものを買っている、そんな構図でしょうか。

指標はカロリーベース‥‥‥つまり人々がふだんに摂る食べものの総熱量ではかっているそうですから、これはけっこう危ない。

先進国では最低レベルの数値です。


30年も前になりますが、タイで仕事をしたことがありました。

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当時はいわゆる発展途上国、貧しさの目につく国でした。

「でも、飢え死にはないんですよ」‥‥‥JICAの方からそうきかされました。

「どこでも食いものとれますからね」

食べものさえあればヒトは生きていける。単純な真理です。

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一方でY君はわたしたちの国で農業を営みます。その彼がこぼします。

「農業で食ってくのって、たいへん」

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食べものつくっているのに、

しかも自給率低いんだから売り手市場となったっていいのに、

そうはなりません。

なにか逆転している気がします。

Y君が、ではありません。逆転しているのはたぶん世のなかのほうです。

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ヒトが生きていく根本のものが脇においやられ、

そうでないものが高い価値を得ている、そんな感じがします。


Y君のつくるのは野菜ですが、

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この国の農業の中核はやはり米作りにあるのだと思います。

一方でそのコメは減反なんてことをしている。

田をつぶせば補助金がでる。

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食べもの足りないはずなのに、さらに食料生産減らすのに金をだす。

コメの価格を維持して農家の生活を安定させるためと云うのですが‥‥‥素人目にはなんとも不可解です。

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古来土地と作物をまもるために、ひとはあらゆる力をそそいできました。

収穫は、すなわち食べものと暮らしとを意味したからです。

豊作イコール繁栄、という図式です。

でも現実はそんな単純なものではないらしい。


ちょっと覗いただけで、偉そうなことは云えませんが、いまの農業は少々不可解なしろものになっている‥‥‥そんな気がします。


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by march_usagi | 2017-11-04 00:00 | 匠のおしごと | Trackback | Comments(2)

畑にきて考える④ 手間と工夫

夏のことです。

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きれいに耕した畑に集中豪雨がきました。

濁流の爪痕がのこります。

豪雨の数日前、酒の席でY君は雨が降らないとこぼしていたのですが、‥‥‥

天候は思うとおりになりません。


だからと云って手をこまぬいているわけではありません。

たとえばサトイモは水をためてくれます。

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画面の奥からY君の畑がはじまりますが、傾斜の高いところにサトイモを植えて耕地の水分を逃がさないようにします。


つづいて土の改良。

サトイモの葉っぱの手前が落花生畑です。

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わかりにくいけれど、糸のような蔓が地面にとどいていますね。この先に、つまり地面の下で落花生が稔ります。

豆類を栽培すると土が肥えるといいます。細菌類の働きでしょうか。

なので、サトイモで水を確保したその次の耕地に落花生を植えて土地を肥やします。


一般の作物はそれより低い一帯をひろくとります。稼ぐのはそこ‥‥‥

耕地活用の三段構えみたいなものですね。


ナスは、少しはなれた畑で作っていました。

借地なので、移動の不便はいたし方ありません。

ひと月前は小さかった苗も、

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みごとな葉ぶりに成長していました。Y君もちょっと自慢みたい。

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ただ手はかかります。

余分な茎に栄養がまわらないように、こまかく剪定をしていきます。

一回りすると2時間はかかるとか。

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よさそうなものを選んでくれて、

「今夜食べてほしいな」‥‥‥にっと笑いました。

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たしかにみごとなナスでした。


煮びたしでおいしくいただきました♪


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by march_usagi | 2017-10-28 00:00 | 匠のおしごと | Trackback | Comments(2)

畑にきて考える ③  ジャガイモ

なんの映画で観たのか、

おじさんたちがジャガイモの皮をどれだけ早くむけるか競うシーンがありました。

ナイフでむいていくのですがけっこう早い‥‥‥西洋の男性は、子どものときこんな風に覚えこまされるのかと感心した思いがあります。

わたしもジャガイモの皮むきは嫌いじゃありません。

ただやっかいなのは、

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凸凹というか穴‥‥‥

こいつがあっちにもこっちにもあるので、避けたりひねったり、ほじくったりせねばならぬ。

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ところがY君の畑でとれたキタノアカリには、この凸凹がほとんどないっ、

ということに気づきました。

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レッドムーンという赤いイモの表面もやっぱりなめらか‥‥‥不思議です。

品種でないのは確かで、どちらもお店で売っています。

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土かな、と思いました。

Y君の畑は土の粒子がとても細かい‥‥‥いびつな形状は、イモが石とか土くれとかを避けた結果そうなったのではないか。


訊いてみたら、

にやっと笑って正解を教えてくれました。


「早どり」するんですって。

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イモは成長を続けるうちにいびつになる。

大きくなれば収穫量は増えるけれど、なかに空洞ができたり、腐ったりするのもでてくる。

それが嫌なので、ふつうは葉が黄色くなって収穫するところを緑のうちに掘ってしまう。

結果凸凹の少ないイモになる。


ただ、土ももちろん大事だよ、とは付け加えてくれました。

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というわけで、Y君のイモはかようにひとつながりでむけるのであります。

なかなか快感です♪


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by march_usagi | 2017-10-07 00:00 | 匠のおしごと | Trackback | Comments(2)