齢をかさねることには意味がある‥‥‥『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
ふだん強気のわたしですが、たまに落ちこむことだってあります。
これ以上齢をかさねて、なにか良いことがあるのだろうか‥‥‥
そんなときこの映画を観ます。

ライ・クーダーが、
キューバの老いたミュージシャンたちを掘りおこしてつくったアルバム
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
これを追ったヴィム・ヴェンダース監督の同名のドキュメンタリーフィルムで、
99年の作品です。

<同名アルバムより>
当時77歳、ルベーン・ゴンザレスのきらめくようなピアノや、
A・バルデスの息をのませるドラム、マラカス、
オチョアの夢みたようなギター、

当時90歳を超えていたコンパイ・セグンドの、洒脱で軽妙な節回し‥‥‥
この齢に到らなければだせない唄声かもしれません。

そしてオマーラ・ポルトゥオンド!
時空を超えた歌姫、なんと芳醇な声!
貧しいキューバのふところに、こんなにも贅沢な音楽が眠っていました。
しかも老いたミュージシャンたちが、少しも枯れることなく育みつづけていた。
やはり心がゆさぶられます。
「男ざかり」なんてことばがありました。
40代あたりを云うのでしょうか。

でも「盛り」はそこで終わるものだろうか。
心さえ老いなければ、ひょっとして生きている限りつづくのではないだろうか。
むしろ齢をかさねるほど、
ひとは、
技は、
より磨かれ、深くなっていくのではないだろうか。
ひとが齢をとることには、みえない意味があるのかもしれません。
わたしはどうなのだろう?
これから生きていくことで、
磨かれるなにか、もっと深くなれるなにかがあるだろうか?
あるかもしれない、
ないかもしれない。

<同名アルバムより>
なので、心がさみしくなったとき、この映画を観ます。

この映画、たぶん渋谷の今はない映画館で観たと思うのだけれど、ラストタイトル消えたところで、観客席から一斉に拍手が起こったのを憶えている。
試写会で製作者に敬意をこめた拍手、ってのは普通だけれど、一般公開の場で拍手起こったのは記憶の限りこの映画だけだった。凄かったな。
また会おうな♪
貧しいけれど、南国の陽気な気質もあるのだと思います。
日本人には、いや私には無理かもしれません。
「やるだけはやってやる」という気概だけ。
緩和も必要なのでその辺は適当ですが。
ジャズは理解の範疇にないのですが、面白そうですね。
カリブ海独特のエネルギーがあるのだと思います。たしかに日本人には驚きのむきがあるでしょうね。
でも、同じ人間、わたしとしてはこのような老人をめざしたいと思います、ほんとうに♪