わたしは鉄筆
わたしは鉄筆です。
なにをするかと云うと、ガリ版原紙をつくるのがお仕事‥‥‥
相棒のやすりです。
下敷きに使いますが、鉄製で結構重たい。
これが専用の「原紙」ってやつでして、紙のうえに薄~く蠟が塗ってあります。
その蠟の皮膜をがりがり削りとる‥‥‥削られた線の部分はそこだけインクがしみるようになりますので、ローラーでこすると印刷物が刷り上る。
ひと昔前、学校や職場で使われるプリントはたいていこれでした。
謄写版またはガリ版刷りと云います。
写真の謄写版印刷機はハガキ専用のミニチュアサイズですが、学校や職場にはこれのB4サイズがでんと控えておりました。
テストとかお知らせなんかも、みんな先生がたが手作りで刷ってくれたんですね。
ガリ版は70年代まで現役でした。
学生運動真っ盛りのころは、深夜、会議が終わってから原稿を書き、徹夜でガリ版切って早朝から印刷、
まだインクの匂いのするビラを抱えてキャンパスを走りまわったものです。
こちら兄弟の「つぶし」の鉄筆‥‥‥見出しなんかの太い文字を書くときに使いました。
書き間違えたときは、この修正液を塗って切りなおします。
意見を伝えるには、紙しかなかった時代のお話‥‥‥
憶えているひとも少なくなっただろうなぁ。
by march_usagi
| 2014-08-09 00:00
| 匠のおしごと
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Comments(2)
わあ!懐かしい!!
これを使ったのは小学生の時、学校新聞を発行するのに。
字が汚かったので余り好きではありませんでした。
これは保存されていたのでしょうか?
未だ残っているなんて、信じられない程。
これを使ったのは小学生の時、学校新聞を発行するのに。
字が汚かったので余り好きではありませんでした。
これは保存されていたのでしょうか?
未だ残っているなんて、信じられない程。
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march_usagi at 2014-08-10 06:42
otyukunさま
この謄写版は、結構最近まで現役でした。
年賀状やあいさつ状は、PCでつくるようになるまでは原紙でデザインし、印刷したものに薄く水彩で色付けしました。
手作り感があってそれなりに面白いものでした。
ただ乾くまで待たなければならないのがちょっと厄介でした♪
この謄写版は、結構最近まで現役でした。
年賀状やあいさつ状は、PCでつくるようになるまでは原紙でデザインし、印刷したものに薄く水彩で色付けしました。
手作り感があってそれなりに面白いものでした。
ただ乾くまで待たなければならないのがちょっと厄介でした♪