子どものとき、道ばたの神さまはどこの辻にもいらっしゃった。 年を経て探してみたら、ずいぶんお仲間が減っていた。 小さな生きものと同じ‥‥‥そう、でも、負けないよ♪
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カテゴリ:ちょっとこだわり( 42 )

時の消えていく日々

わたしはパンクチュアルな人間です。

いや、

であったというべきか‥‥‥

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少なくとも現役のころ、

時計をせずに外出することなどありませんでした。

会議や始業時刻、現場やスタジオの入り時間、

作業の締め切り、ひととの待合わせに、

遅れることはまずありません‥‥‥

それは癖のように時計を見、予定の時間を見計らっていたから‥‥‥

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でも定年退社の翌日、時計を身に着けるのをやめました。


「心に期して」なんて大袈裟な決意ではありません。

ただなんとなく、

のこりの人生、時間にしばられるのをやめようと思ったのです。

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無論スマホがあるし、

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街中に時計がないでもない。

大まかな世界では、やはり時間のなかに生きている。

でも針を読む回数はみごとに減ったし、

そのぶん確実にゆとりと楽しさがわいてきたと思うのです。

時間は勝手に流れていく‥‥‥それを無理して泳ぎ渡ることないじゃないか!

ま、そこまで悟りきったわけではないけれど、

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流れに身をまかせ、時計からもれていくものに目をむける‥‥‥

これもちょっとした贅沢だと思うのです。


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by march_usagi | 2017-04-22 00:00 | ちょっとこだわり | Trackback | Comments(2)

歳をとることの孤独と悦びと(誕生日に思うこと)

「撰ばれてあることの恍惚と不安と二つわれにあり」

なんてヴェルレーヌの言葉をひいて自殺したのは太宰治です。


わたしとしては「歳をとることの孤独と悦びと」、これなら二つわれにあるな。

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知人の亡くなるのはつらいものです。

肉親はいうまでもないけれど、

とりわけこたえるのは幼いころからの友だち‥‥‥

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そのひととともにすごした記憶が、そっくり死者の領域にしまわれてしまう。

しかも広がる‥‥‥

年寄りは日増しに孤独です。


一方で、

これは齢とってみてはじめてわかったことですが、意外に楽しい。

まずは仕事の呪縛からの解放!

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仕事は「必要」からするもののはずなのですが、

いつかそれが自己目的化してしまう。 ときに人生の意義にすらなってしまう。

ワーカホリックなんて悲しいことば、ありましたね。

あれからきっぱり自由になります。

これはとてもうれしい。


もうひとつ、

過去からの解放!

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中島みゆきさんの曲で「傾斜」という唄がありました。

「忘れっぽいのはステキなことです‥‥‥」

なんて歌詞唄っています。

そう、老人は物忘れがひどくなるのですよね。

でもそれは存外よいことなのかもしれない。

過去にしばられない‥‥‥ということは、云ってみれば過去の辛い思いから解き放たれる。

ひょっとしたら未来志向で生きていけるかもしれない!

忘却力がパワーアップするのだ、とわたしはひそかに嘯いています。


齢とることは確かにさみしく困ったことだけれど、

よいことだってなくはない。

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どちらも噛みしめながら、わたしはのこりの時間、生きていきたいと思うのであります。


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by march_usagi | 2017-03-25 00:00 | ちょっとこだわり | Trackback | Comments(4)

シーベルトってなんだっけ

6年の歳月がながれました。

再稼働をめぐる若干をのぞき、原発の報道は影をひそめています。

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先日めずらしく炉の内部に関する報道がながれました。

燃料棒がメルトダウンし、炉心の下部、へたをするとその下まで融けおちているかもしれない。

炉内には線量530あるいは650シーベルトの箇所が存在する、

ひとなら1分で即死するレベル云々‥‥‥


はて「シーベルト」って、なんだっけ?


くだいて云えば、ヒトが受ける放射線の量のこと。

大切なことはふたつ、

生き死ににかかわるということと、

消えずに蓄積するということです。


まず生き死にですが、

マイクロとかミリのつかない、ただのシーベルト、つまり1シーベルトとか5シーベルトとかは、ストレートに死の単位です。

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2シーベルトの被曝で、ヒトの5%が死にます。

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4シーベルトで50%

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8シーベルトで生きているヒトはいなくなります。100%の死です。


ついで蓄積の問題ですが、

たいていの毒物とちがって、放射線は体外に排出されません。

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去年100ミリあびて今年100ミリあびたら、あなたの貯金は200ミリシーベルト、

貯金が数百ミリシーベルトなんてことになれば、墓場はもう目の前です。

一回なんミリ以下なら安全ということもありません。


なので530シーベルトに達している炉の内部が、どんなに怖ろしいものかはご理解いただけたと思います。

線量は毎時ということでしたので、1分あたりは

   530÷60分=8.8シーベルト

そう、だから1分あびれば即死、と報道されたのです。


作業用のロボットも2時間で壊れてしまうということでしたね。

ロボットの許容量は1,000シーベルトだそうで、

530×2=1,060

なるほど、確かにだめなんでしょう。


福島の大きな問題は、未だに正確な状況がつかめていないということです。

燃料を20年からとりだすと云っていますが、その燃料がどうなっているか、確かめることすらできない。

ヒトはもちろん、ロボットだってもたないのですから。


もうひとつシーベルト関係で忘れていけないのは、避難地域の指示解除基準のこと。

事故前、年間1ミリシーベルトだった基準が、20ミリシーベルトに緩和された‥‥‥云いたいこといっぱいありますが、ここではちょっと置いておきます。


にしても、年間20ミリってなにを意味するんだろう?

20ミリを毎年浴びるとどうなるか‥‥‥

   0.02× 30年=0.6シーベルト

   0.02× 50年=1シーベルト

   0.02×100年=2シーベルト

2シーベルトは「死」の単位でしたね。

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微妙な数値です。


これって、つまり死因があいまいになる境界値じゃないかしら?

被曝が直接の死因と疑うには、100歳まで生きなければならないし‥‥‥


国や企業からすれば被曝が原因とされる死者はだしたくない、

でも避難にたいする補償は減らしたい、

どちらをも満たすような満たさないようなあいまいな境界‥‥‥

それが「年間20ミリシーベルト」の根拠ではなかったのでしょうか?


むつかしいことで煙に巻こうとしているけれど、本音はこうなんじゃない?

一度質してみたいものだと思います。


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by march_usagi | 2017-03-04 00:00 | ちょっとこだわり | Trackback | Comments(2)

旅にでたい

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たぶん旅にでたくなったのは、

会社と関係があると思います。

還暦で定年をむかえてから、いったん5年間の再雇用をうけました。

これが来年終わりになる‥‥‥これと関係があるらしい。


会社とは距離をたもってきたつもりです。

会社人間にはなるまいとしたし、たぶんならなかった。

でも40年も働けば、わりきれないものだってのこります。

仕事にささげた人生が、なかったとは云いきれない。

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あと一年と思えば、通勤の風景もかわるでしょう。

この季節、寒風にふかれてこの街を歩くことはもうない‥‥‥

そう思えば、楽しいような、哀しいような、変な気もちになってきます。

生身のわたしを、影のわたしが見ているような‥‥‥


だから、‥‥‥いっぺん離れたところにいってみる。

それが必要なのかもしれません。

わかりたい‥‥‥というのではなく、

感じたい。


本当に自由になれるのか実感したい。

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だから旅にでてみたいな、と思っています。


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by march_usagi | 2017-02-04 00:00 | ちょっとこだわり | Trackback | Comments(0)

老いてひとは自由になる

歳をとることが、悪いもののように思えた時期がありました。
もちろん若いときの話です。

腰はまがるし、耳は遠く、目は見えなくなるし、‥‥‥
仕事をやめれば金もない。
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まるで世のなかのお荷物になってしまう。

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死が訪れるまでの時間つぶしのように思えていたのです。

でもいざ老いてみると、それがそんなに悪いものでもないことに気づきました。

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仕事であきらめていた楽しみを、も一度手にすることができる。

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暮らしの手立てでしかなかったものが、ちょっとした喜びになる。

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出張しか知らなかった遠出が、ほんとの旅になる。

もちろん身体の無理がきかなくなるのは困ったことです。
でもそれだって、無理する必要がなければ意味をもたない。
いたわりながら楽しめばいいのです。

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生きるために控えてきた自由ですが、ここらで発想を変え、
自由のために生きてみようかと、
そんなことを考えています。
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by march_usagi | 2016-03-26 00:00 | ちょっとこだわり | Trackback | Comments(2)

免許の更新

免許証更新がせまってきました。
あらためて見る免許の交付日は
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(平成23)2011年3月11日‥‥‥そう、あの日です。
午前半休で試験場に寄り、真新しい免許証を手に会社に着いたその午後に、震災が起こりました。
ここで思い出話をするつもりはありません。
被害は甚大だったし、復興は途上に過ぎない。わたしたちがやるべきことは、まだ無数に残っています。

とはいえ、地震と津波の被害はやがて乗りこえられていく、
失った生命はもどらないにしても、ひとの悲しみは癒されていくでしょう。
自然と時間の復元力は、やはり強靭なものだと思うのです。
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ただし、そうでないものがあります。
原子力発電です。いえ、「核」発電とよんだほうがいい。
平和利用の皮をかぶっていたけれど、本当は誰ひとり制御できない「核」の恐ろしい本性‥‥‥
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5年たっても福島原発は大気と海洋を汚染しつづけています。
膨大な汚染水、汚染土、汚染物質はもはや置き場すらありません。

それなのに政府と電力会社は原発の再稼動を急いでいる。
なんという恥知らずなひとたちでしょう。

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一方で、抗議を押しつぶす危ない動きも目だってきました。
改憲草案「緊急事態条項」‥‥‥
ふたたび震災や原発事故が起きたとき、あるいは戦争や「秩序の危機」がせまったとき、ときの政府が戒厳令を布告する‥‥‥国民の権利は停止され、政府を批判する集会や行動は禁じられる。
そんなことをもくろんでいます。

関東大震災では無数の朝鮮のひとびとが殺されました。
同じとき、無政府主義者や若い共産主義者たちも殺されました。‥‥‥治安維持を口実として。
災害と混乱を口実に、権力が暴虐をほしいままにする歴史をわたしたちは体験しているのです。
戦前の悪霊がこっそり舞いもどろうとしている‥‥‥そう危惧するのは、わたしだけでしょうか。
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年齢も重ねたことだし、免許の更新はひょっとして今度を最後にするかもしれません。
けれど3月11日の記憶と、それを契機に起こったさまざまな事態とのかかわりは、生きている限りつづくでしょう。
そんな思いにかられながら、免許証の日付を眺めています。
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by march_usagi | 2016-03-05 00:00 | ちょっとこだわり | Trackback | Comments(2)

母の長崎

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母は長崎で育ちました。
山と海のはざ間にむりやり詰めこまれたような小さな街です。

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平和公園の一角に、原爆投下時の住居を表示したパネルがありました。

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爆心地から数百メートルの範囲で、そこに住んでいた人々の苗字を、記憶を頼りに書きこんだもので、
母の旧姓も記されています。
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原爆が投下されたとき、祖父と祖母、中学生の叔父と女学校に通っていた叔母とが暮らしていましたが、
勤労動員で、かろうじて壁を背に助かった叔父を除き、みな命を奪われました。

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平和公園の上手奥から、細い階段が降っています。

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原爆ですべてが破壊された街です。
道や区画も変わってしまい、はっきりここと云いきれるわけではないのですが、おそらくこのあたりに母の家があったのだと思いました。

「すぐそばに小さな川が流れていて‥‥‥」というのが母の記憶ですが、
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そのとおりの川が流れています。

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平和公園の向かい側には浦上天主堂がありますが、

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やはり母の記憶で、天主堂と山のあいだから月が昇ったとか、‥‥‥

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ここのことを云っていたのでしょうか。

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爆心地には97年、新たに母子像が建てられました。

母の初めての出産に、祖母は父の駐屯地の日立まで出向こうとしていたようですが、兄の産まれる一月前、命を落としました。
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祖母が娘である母を、産まれる孫を思った気持ちが、この齢になったわたしにはよくわかります。

その祖母の遺体は、ついに発見できませんでした。
外に出ていたところで被爆したのでしょう。
祖母の名は、原爆殉難者名簿に記載されていません。生死が確認されなかったからです。

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平和公園の下手には、身元の特定できなかったひとびとの霊が、無縁死没者追悼祈念堂として祀られています。
祖母はこの中にいるのかもしれない。

祈念公園からはむかいの稲佐山がはっきり見えます。
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母はよく稲佐山からの港の景色を話してくれました。
祖父や祖母や兄弟姉妹との美しく楽しげな思いでとともに‥‥‥

でも母の長崎はひとつではなかった。
息をひきとるまでの何十年ものあいだ、悲しみと怒りをかかえながらもうひとつの長崎を見つめていたのが、わたしにはわかります。
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by march_usagi | 2016-02-27 00:00 | ちょっとこだわり | Trackback | Comments(2)

暁闇に舞う

年が明けました。

暗い兆しはあるけれど、

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若く明るい光も感じます。


悟性を信じ、怯まず歩きつづけたい‥‥‥心からそう思います。

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by march_usagi | 2016-01-01 00:00 | ちょっとこだわり | Trackback | Comments(2)

いろいろあった年でした‥‥‥

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いろいろあった年でした。

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40年ぶりに政治とむきあった年でもありました。
落胆のかげに、あたらしい希望が芽ばえたような気もします。

この芽がすくすくと育つよう、祈りながら年を越します。

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皆さま、よい年をお迎えください!
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by march_usagi | 2015-12-26 00:00 | ちょっとこだわり | Trackback | Comments(2)

秋のはじまり

夏の終わりが嫌でした。

祭りの終わるのがつらかったのだと思います。
退屈な二学期は永遠につづくような気がしました。
でも今はそうでもない。
夏はやはり好きですが、秋もまた楽しめそうな、
秋だからこそ味わえるものが見つけられるような、
そんな気がします。

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そう、わたしは「老いる」ということを語っているのです。

子どものころから、老いることを知っていました。
知りたくない知識でした。

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真夏の蝉時雨のさなかを
水泳パンツとバスタオルのはいったビニール袋をさげ、
ぽくぽくと乾いた土ぼこりをゴムぞうりではねあげながら、
あ、それでも夏が終わる、
僕は少年でなくなる、
やがて老人になる、
そんなことを思いながら海につづく道をたどっていました。

人生の夏は、無我夢中のうちに過ぎ、
長かったのか、短かったのか‥‥‥
たぶんあっという間だったのでしょう。

気づけば、わたしは老境の峠道に立っています。
背中のうしろに仕事だの、家族だの、酒だの、女だの、革命だの、し遂げたもの、遂げなかったもの、思ったもの、思いもしなかったもの、なにやかやが玩具箱みたいにつみ重なっている。

谷を越えてあなたを見やれば雪のつもったけわしい峰。
あ、最期にあそこを登るんだな。

そのとき、ぽんと肩をたたかれました。
ふりかえれば古い友だち‥‥‥歳月に名前も顔も忘れてしまったけれど、間違いなく昔の仲間が笑っています。
「ここにいたんだね、また会えたね」
かれは長い腕で山の斜面をなぞります。
なぞられたそのそばから、谷は黄金に彩られてゆきました。さらさらと稔った稲や麦になり、木々には重く果実がさがり、鹿や猪が顔をあげ、空に幾百の鳥の群が渡ってゆきます。
「ゆっくり降るんだ」
友人は黄金色の草原に足をふみいれます。
「時間をかけて、ゆっくりと。 あっちにもこっちにも寄り道しよう」

「置いていけよ」
過去のしがらみを振り返ったわたしにかれは云いました。
「重いものは、持たなくていい」

そう、だからわたしは秋に足をふみいれます。
鞄を捨て、時計を捨て、コンパスも捨てました。
眼鏡はまだ必要かもしれない。

ひとりひとりに秋はあるんだ‥‥‥広さも深さもとりどりだけれど、そのひとの生きてきた夏の稔りとして、ひとつひとつの秋があるんだ。
空に鳥が啼いています。
たんと味わうがいい。

そうしようと思います。
わたしの秋ははじまったばかり‥‥‥生まれたての活きのいい秋です。
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by march_usagi | 2015-10-03 00:00 | ちょっとこだわり | Trackback | Comments(2)