蘆刈のうた、ふたたび‥‥‥箱根湿生花園
君なくてあしかりけりとおもふにもいとゞ難波の浦ぞすみうき
2014年の暮れに一度ご紹介した歌ですが、
この季節、しんと冷えた大気のしたで思います。
女とわかれ、ひとり男はどんな思いでアシを刈ったのか‥‥‥
零落していくおのれの不甲斐なさをにくんでいたか、
わかれた女の肌を想いおこしていたか、
あるいは、
なにひとつ想わず、想おうとせず、ひたすら鎌で薙いでいたのか‥‥‥
広い葦原で、風にアシの鳴るのをききました。
さらさらと、乾いた音が小止みなくつづきます。
ときにそれはひとの話し声に、
ときに笑い声のようにもきこえる‥‥‥
ああ、これかもしれない、
そう思いました。
男はアシの鳴る音をきいていた。
その音(ね)のなかに、女の声を、ささやきをきいていた、と‥‥‥
箱根の湿生花園は、仙石原のふもとにある植物園です。
湿原や、川や湖沼、
水辺の植物をあつめた公園。
その一角に、
仙石原湿原復元区があります。
箱根のありのままの湿原を復元しようと、ひとの手による植栽や管理を控え、
一周する木道以外には足を踏みいれることができません。
夏場は緑の絨毯に野生の花が咲きみだれ、
たくさんの虫たちが飛びかいます。
箱根で、わたしの一番好きなところかもしれない。
おもしろいのは、湿原の自然環境をととのえるため、冬場にいちど火入れをすること‥‥‥
枯草の表面を直の火で焼きつくします。
今年は1月9日の予定‥‥‥
一般の見学もできるというので勇んで登録したのですが、
残念ながら雨で中止‥‥‥別の日に延期となりました。
仕事がらその日に休むことはできず、涙をのむことに‥‥‥見たかったな。
炎のあとに、一面黒焦げの大地がひろがるのでしょうね。
それでも灰のしたから草々は芽吹くだろうし、
湿原が、葦原がよみがえるでしょう。
春になったら行こうと思います。
よみがえった葦原に、男と女のささやきがきこえるかもしれません♪
9:27 現場に到着すると、すでに周囲に水撒きがされていました。 水の供給元は、左手の池。 いったん協議。奇跡のような無風です。 先日の雨でまだ湿った草があるということで、掻き起しに。 9:57 着火部隊が登場しました。 10:00 点火しました。 等倍で切り出しました。わずかに炎の先が見えます。 当初、1/9(月)の予定でしたが、降雪により1/11(水)に順延となりました。 それでも、ちゃんと乾くのか、実施の判断はきわどかったようです。 ... more
火は見えませんが、着火隊は前進します。(等倍切り出し) 煙が上りはじめました。 ふだんみることのない報道の方の背中。 10:04 火が見えた!よかった! (等倍切り出し) が、あっというまに 10:04 火勢は弱まって 10:05 消えてしまうのです。 10:07 ... more
10:14 つづいて、二番目の予定区。 くすぶり始めて・・・ 10:16 移ってきました。 10:16 あっというまに熱波が押し寄せ 10:17 火が舐める。 舞い上がる灰。(等倍切り出し) 10:17 誰もいないように見えますが、この瞬間、ギャラリーは木道の奥に身を引いています。 これだけ緩衝地帯があっても、本能のアラームが鳴動するんですね。 10:17 しばし視界不良。 10:17 10:18 学校で習った 燃焼の三要素と 向い火の話はほんとうだった...... more
学生時代の知人に仙石原の方が居たのですが、その方から話だけは聞いていました。
しっかり、保存されているみたいで安心しました。
日本中行きたい所だらけですが、その内の一つでもあります。
お近くで良いですね。