飛鳥、旅への思い
「つぎは半年後、来年4月ですね」
医師にそう云われ、ああ、ここまでのりきれたのだと知りました。
横浜の大桟橋に停泊する「飛鳥Ⅱ」‥‥‥
出航の準備をしています。
やがてタグボートが船尾をひきよせ岸壁から離れると
長い汽笛をのこして夕暮れの海に出ていきました。
どこへ行くんだろう‥‥‥
出てゆく船に旅の心がさわぎます。
たぶんそれは心がすこしくつろいだからか。
そんなこと考えながら、遠ざかる船を見送っていました。
ふりかえると、横浜はみごとな夕焼けでした。
一つの関門をくぐり抜けた様で、一安心。
兎様のお見守りがあったればこそだと思います。
飛鳥、良いですね。
贅沢な一時、懐と時間に余裕が一杯あったらと。