妖怪のでた夜
『桃山人夜話』竹原春泉画 角川書店
竹原春泉の「絵本百物語」にでてくる「小豆洗い」‥‥‥水木しげるさんの漫画でご覧になった方も多いと思います。
深山のひと気のない渓流で、ひたすら孤独に小豆をとぐというナイーブな妖怪ですが、
この方が、小豆をとぎながらつぶやいているのが「しょきしょきしょきしょき‥‥‥」
子どもたちが幼いころ、なぜかこれを怖がって、
「しょきしょきしょき‥‥‥」と耳元でつぶやくと「やめてやめて」と耳をふさぎました。
話かわってこちらは娘がお友だちから誕生日プレゼントでいただいたパン焼き機‥‥‥粉や材料を仕込んでプログラムすると、勝手に混ぜて膨らまし、4時間ほどで焼きあげてくれる優れモノでありまして、
こねたり寝かしたり、イーストを醗酵させたり、ガス抜きしたりと結構いろんな作業をけなげにひとりでやり遂げます。
娘は寝る前に材料を仕込み、
起きたときに焼きたてを食べられるようにセットしてくれるのですが‥‥‥
ある晩ふと目覚めると不気味なつぶやき
‥‥‥しょきしょきしょきしょき‥‥‥きこえます。
でました‥‥‥ついにわが家にも妖怪が!
そおっと近づくと‥‥‥
パン焼き機がひとりで粉をこねておりました。
「しょきしょきしょきしょき、パン種こねましょか ひととって喰いましょか、しょきしょきしょきしょき‥‥‥」
こちらにも現れた様で。
機械な奇怪?ですね。
便利な妖怪、我が家にも出現して欲しいものです。