子どものとき、道ばたの神さまはどこの辻にもいらっしゃった。 年を経て探してみたら、ずいぶんお仲間が減っていた。 小さな生きものと同じ‥‥‥そう、でも、負けないよ♪
by march_usagi
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ガンガーのほとり

たぶん学生のころに読んだこの本が、インドの、それもヴァラナシ(ベナレス)を訪ねたいと云う気にさせたのだと思います。
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        『暁の寺』(『豊饒の海』第三部 三島由紀夫著 1970年 新潮社)

三島由紀夫の『豊饒の海』‥‥‥第三部『暁の寺』には、三島らしい丹念な筆致でこの不思議な町の紹介がつづられていました。
ベナレスは、聖地のなかの聖地であり、ヒンヅー教徒たちのエルサレムである。シヴァ神の御座所(おましどころ)なる雪山(せつざん)ヒマラヤの、雪解け水を享けて流れるガンジスが、絶妙な三日月形をゑがいて彎曲するところ、その西岸に古名(ママ)ヴァラナシ、すなはちベナレスの町がある。それはカリー女神の良人シヴァに奉献された町であり天國への主門と考へられてきた。

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旅に目的があったのではありません。身近で何人ものひとを失いましたが、彼らを捜しに来たのでもない。ただ漠然と、生と死との混在する岸辺に立ってみたい、彼岸のようなものを感じてみたいと、そう思っていました。
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ヴァラナシの川岸には、ガートと呼ばれる水辺がいくつも開かれています。ひとはそこで身を清め、祈り、生命を祝福します。
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しかし水はけっして清らかではない‥‥‥日本の清流を見慣れてきたわたしたちの目には、この河の水が清浄なものにはとても思えない‥‥‥
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再び三島を引用します
すべてが浮遊してゐた。といふのは、多くのもつとも露はな、もつとも醜い、人間の肉の實相が、その排泄物、その悪臭、その病菌、その屍毒も共々に、天日のもとにさらされ、並の現實から蒸發した湯氣のやうに、空中に漂つてゐた。ベナレス。それは華麗なほど醜い一枚の絨毯だつた。

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ここは、ひとが空と水に帰っていくところ‥‥‥
川岸には火葬の薪を積んだガートが点在します。
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荼毘に付された死者たちは、そのまま灰となってガンガーの河の流れにとけてゆく‥‥‥
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生者も死者も、子どもも大人も老いたものも、健康なものも傷ついたものも病んだものも、聖なるものも不浄のものも、ひとも牛も、犬も鳥もさかなも‥‥‥いっさいのものが瘴気のようにまざりあい、混濁してながれつづけるところ‥‥‥
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とはいえ、この国には今も理不尽な身分制度が存在します。
ひとは来世といえどもカーストの枠のなかに閉じこめられなければならない。
いくたび輪廻を経たとしても、
幾千年にわたるそれはなお地層のようにひとを区分けし、
重石のようにとらえて離そうとしません。
不可触とよばれた人々の心の底には、憎しみと諦念とが澱のように澱んでいるに違いないと思うのです。
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にもかかわらずガンガーはそれらの一切をとかし、ながし、清めていくのだという‥‥‥

旅人のわたしには、それは到底理解できない無意味な循環話法のようにも思えるのでした。
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by march_usagi | 2013-04-17 00:00 | 海の外そぞろ歩き | Trackback(1) | Comments(2)
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Tracked from 鴉の独りごと at 2013-04-17 07:16
タイトル : ガートの風景 Ghats, Ganga
夜明け前。 手漕ぎボートにのって、ガンジス河とガートを見学します。 たたいて、洗濯をしています。 ... more
Commented by otyukun at 2013-04-22 18:20 x
ご無沙汰しています。
今日、別荘から退去してきました。
留守の間にインドに行かれた様で良かったですね。
三島の言う通り華麗な程醜いにも拘らず、インドには魅力があるとか。
インドに行った知人の内、殆どがもう一度行きたい国の筆頭にインドをあげます。
タジマハルの様に壮麗な建築物が大半であれば分かりますが、街中だけでなく猥雑さと喧噪があちこちに混在している様子を見ると尻が引っ込んでしまいます。
矢張りまだ見ていない日本のあちこちが先だと思ってしまうのは知的好奇心や冒険心の欠如だけでなく人間の器が小さいのかも知れません。
何はともあれ無事帰国され何よりでした。
Commented by march_usagi at 2013-04-22 22:36
otyukunさま
心配しておりました。思ったよりずっと長い療養になってしまいましたね。若いうちは身体が資本などと云っておりましたが、歳を重ねれば、身体は命そのものになります。大事にされてください。
インドは確かに不思議な国です。ものすごい魅力と、たまらない嫌悪感とが交互に押しよせてまいります。
まだあと5回くらい出しますので、おいおいご説明できるかと‥‥‥